2012-02-19

[本]10年後に食える仕事、食えない仕事


渡邉 正裕
東洋経済新報社
発売日:2012-02-03

渡邉正裕の最新著作。
職業を以下の4つに整理してマッピングして、それを元に書かれている。

①重力の世界…グローバルの最低給与水準に収斂される
②無国籍ジャングル…世界70億人との仁義なき戦い
③ジャパン・プレミアム…日本人ならでは、日本人にしかできない
④グローカル…日本人の強みを生かしつつグローバル化に対応

公務員からアーティストまで、幅広い職種をマッピングに位置づけて今後どうなるか(どういう競争に晒されるのか、晒されないのか)といった観点で書かれている。
どうしても、今の職種では今後食っていけるのかという定点的な観測で考えてしまいがちだが、あらゆる職種は無国籍ジャングル→グローカル→ジャパン・プレミアム→重力の世界へと動いていく可能性があるということがこの本を読んでの新しい視点。

残念ながら、今自分がいる”SE”という職種はSE自体はグローカルに位置しているが更にブレークダウンして”インフラ・エンジニア”まで細分化すると重力の世界に位置する。(P.162のエンジニア系を参照)
毎日働いていて、ニュースなどを見ていればクラウド化が叫ばれている中薄々感じていたことではあるが、人に整理されて言われると更に考えないとなと思わされる。今後どういう仕事をしていこうとするかは、悠長な課題ではなくて喫緊な課題にも思えてくる。

本書の内容ではないが、著者がコンサル出身ということもあってマッピングから整理の仕方までが上手い。フレームワークとか手法とか馬鹿にしてしまいがちだが、やはり訓練されている人はさすがだなと読んで感じる。この手の本は、ある部分が精密に書かれていてそれ以外のところは妄想込みで書いているなというのはよくあるが、書いている範囲ではそう感じるところはない。新書と呼ばれる物を書く人は、コンサル出身がやっぱり一枚上手だなと思う。

就活生とか、今自分の職に疑問を感じている人にはオススメ。
もちろん、来年再来年というスパンで考えればこのマッピングは変化するので古くなるがそれ抜きにしても考え方として参考になる。

0 件のコメント:

コメントを投稿