マクベスはノルウェイの反乱軍を抑え、使えていたダンカンに賞賛される。ダンカンは、マクベスを讃えマクベスの城へ出向き晩餐をする。マクベスは夫人にも後押しされ、ダンカンを殺し、その罪をダンカンの下僕になすりつけその下僕を殺しダンカン亡き後の王につく。マクダフ、マルコム(ダンカンの息子)はマクベスを疑いマクベスに狙われるが逃れる。マクベスは、罪の意識に苛まれるがいずれ罪の意識は薄れ暴君へとなっていく。
そして、スコットランドに逃げたマルコム、マクダフは時を経てマクベスの倒しに行く...
といった物語。『あるキング』がこの物語をモチーフにしていたので読んでみた。
『あるキング』に描かれているように良いことと悪いことの境界線は曖昧だ。ということも題材の一つとして書かれている。
この物語の中では、マクベスから逃れたマクダフの息子とマクダフ夫人が言っているセリフがこの物語のハイライトだと感じた。(直後、マクダフの息子も夫人も殺されるが)
少年/誓っておいて嘘をついた人は、みんな縛り首にされるの?いろんなことをコミットし続けてる現代人は大変だ。
マクダフ夫人/ええ、みんな。
少年/誰が首を締めるの?
マクダフ夫人/それはいい人がよ。
少年/それじゃ、嘘をついたり誓ったりする人はばかですね、だって、嘘をついたり誓ったりする人はたくさんいるもの、みんなして、そのいい人をひっぱたいて、縛り首にしてしまえばいいのに。
マクダフ夫人/ここでは悪いことをして、かえって賞められ、よいことをして、危ない目にあい、ばか呼ばわりもされかねない、そうだとすれば、悪いことをした覚えはないなどと、所詮は女の愚痴でしかないのか?